建前は、しばしば本音の真裏にしつらえられる――
と思っています。
つまり――
何か建前の文言を繰り返す人がいたとしたら――
その人の本音は、その文言の否定形にある――
ということです。
例えば、
――努力は報われる。
と、しきりに主張する人がいたとしたら――
その人の本当の主張は、
――努力が報われるとは限らない。
ではないか――
ということです。
本当は「報われるとは限らない」と思っているからこそ――
あえて何度も「報われる」と自分自身にいいきかせる必要があるのですね。
それを本当に信じている人にとっては――
それは、わざわざ繰り返す意義に乏しい文言といえましょう。