マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

建前は、しばしば本音の真裏に

 建前は、しばしば本音の真裏にしつらえられる――
 と思っています。

 つまり――
 何か建前の文言を繰り返す人がいたとしたら――
 その人の本音は、その文言の否定形にある――
 ということです。

 例えば、

 ――努力は報われる。

 と、しきりに主張する人がいたとしたら――
 その人の本当の主張は、

 ――努力が報われるとは限らない。

 ではないか――
 ということです。

 本当は「報われるとは限らない」と思っているからこそ――
 あえて何度も「報われる」と自分自身にいいきかせる必要があるのですね。

 それを本当に信じている人にとっては――
 それは、わざわざ繰り返す意義に乏しい文言といえましょう。