――数学性とは?
と訊かれて――
もし、一言で答えるのだとすれば、
――超・固有性
であろうと思います。
「超・固有性」とは、固有性の境界を超越した普遍性ないし汎用性ないし任意性といった程度の意味です。
例えば、
x + 3 = 2
も、
2x - 5 = 0
も、
ax + b = 0
も、どれも x の一次方程式とみなすというところに――
僕は、数学の数学らしさを感じます。
この着眼によれば――
例えば、
――囲碁は将棋よりも数学性が高い。
ということになります。
将棋では、どの駒にも、多かれ少なかれ、何らかの固有性が詰め込まれている一方で――
囲碁では、どの白い碁石も、どの黒い碁石も、すべて同じ碁石ですから――
囲碁は、中高年になってからも始めやすい趣味だといわれます。
僕は、その数学性の所以だと思っています。
ということは――
本家の数学だって――
おそらくは中高年になってからでも、始めやすい趣味となりうるでしょう。
誰も、それを「趣味」とはみようとしないだけであって――