医学界の常識は――
たった30~40年でガラッと変わるから、不思議です。
30~40年前には、
――正しかろう。
とされていたことが――
今日では、
――そんなバカな!
とされてしまう――
もちろん――
こうした傾向は医学界に限った話ではないのかもしれませんが――
医学界では殊更に目立つように感じます。
それだけ――
人の体を調べるのは大変だ――人の体は調べにくい――
ということです。
なぜか――
医学では、倫理的かつ原理的な制約が必然的に課せられるからです。
医学者は、いかなる人の体についても、決して自由に観察・実験をしてよいわけではありません。
だって、人の体ですから――
その人の存在を、この世界において、きちっと具現している最大の象徴――
それが、その人の体ですから――
この制約こそが、医学をして他の学問分野よりも多大に迷走せしめている、といえましょう。
それは、良くも悪くも、医学の本質の一端です。