冬から春にかけて、寒さの緩む季節は、なんとなく気分が浮き立ちます。
ちょっとしたことで嬉しくなったりワクワクしたり――
が――
よく考えると――
これは、ちょっと不気味なことでもあります。
ただ春が近づいてきているからという理由だけ、嬉しくなったりワクワクしたりするならば――
それは、不気味なことなのです。
だって、とくに理由がないのに、嬉しくなったりワクワクしたりしているのですから――
それは――
さながら、
――春の魔性
といってもよいでしょう。
当然――
ちゃんと理由があれば、不気味ではありませんよ。
例えば――
大地の雪が融け、草花が姿をみせているのに気づき、元気になったから、というのであれば――
まったく不気味ではありません。
ただ春が近づいてきているから、気分が浮き立っているのか――
春が近づき、自然の景色に変化が現れ、その変化を楽しんでいるから、気分が浮き立っているのか――
それは――
大きな違いなのです。