いわゆる感動劇には――
観客の感動を引き起こすのに十分な舞台が必須です。
十分な舞台の上でないところで――
感動劇をむりやり上演してみせたところで――
観客の感動は望めません。
いわゆる感動劇に観客が感動をするとき――
多くは、その劇の意外性や調和性に感動をしているのではなく――
その舞台の荘厳性や稀少性に感動をしているのです。
荘厳な舞台、稀少な舞台の上だからこそ――
劇の意外性や調和性が、ひときわ光り輝くのです。
いわゆる感動劇を上演しようと思ったら――
劇の配役や演出を練る前に、その劇に相応しい舞台を探し出すか作り上げるかすることです。