本当の意味で、わかりやすい文章というのは――
最後まで読み終わる前に、何がいいたいのかが、伝わっている文章であろうと思います。
最後まで読まなければ伝わってこないような文章というのは――
たとえ、それがどんなに美しい文章であっても――
わかりやすいとはいえないでしょう。
つまり――
読み手の期待に応える文章ですね。
そのような文章が満たすべき要件というのは――
なんといっても、論旨が真っ直ぐであるということです。
「論旨が真っ直ぐ」というのは――
途中で枝分かれしたり、抜け道があったりしない、ということです。
「枝分かれ」というのは、例えば、
――AはBである。なぜならば、第一にCはDであり、第二にEはFであるからだ。
といったものです。
「抜け道」というのは、例えば、
――AはBである。その理由は後述する。
とか、
――CはDである。AはBであると前述したのは、このことによる。
といったものです。
「枝分かれ」や「抜け道」は、書き手にとっては、そんなに気にならないのですが――
読み手にとっては、かなり気になるのですね。
フラストレーションがたまります。
文章の中に「枝分かれ」や「抜け道」を設ける場合は、よほど心して設けないと――
わかりやすい文章には、なりません。