今日の社会への歴史の流れは――
様々な分岐を経て、今日にまで至っているので――
今日の社会の有り様は――
かつては存在しえた数多(あまた)の可能性の中の一つに過ぎないのですが――
今日の社会に生きる僕らにとっては、あくまでも今日の社会が全てなのですから――
なかなか「数多の可能性の中の一つ」とは考えられないのですよね。
どうしても「これが全てだ!」と考えたくなってしまう――
歴史にイフ(if)はないというのは――
まさに、その通りです。
ひとたびイフを想定してしまったら――
その時点で、もはや歴史を語れなくなる――歴史以外の何かを語り始めている――
でも――
ふと思うのです。
時には、その「歴史以外の何か」を語ることがあってもよいのではないか、と――
それは、「空想」であったり「お伽噺」であったりするわけでしょうが――
そういう世迷い言を時に語ることで――
今日の社会をいくらかは相対化できる――客観視できる――
ひいては――
今日の社会の有り様を冷静にみつめ、考えることができる――
冷静にみつめ、考えるということが――
今日の社会が抱える諸問題に取り組む上では、何よりも大切だと思うのです。