人は、安定した環境で、なるべく安穏に暮らしたがるものですが――
安定や安穏だけでは、そのうちに物足りなくなって――
やがて、変化や刺激を求めるようになります。
が――
その変化や刺激には2種類あって――
それは――
自分にとって好ましい変化や刺激と好ましくない変化や刺激とです。
好ましい変化や刺激は、期待でもって迎え入れて――
好ましくない変化や刺激は、不安でもって受け止める――
安定した環境で、ひたすら安寧に浸っていると――
不安を感じずに済む代わりに、期待を感じることも一切ないのですね。
それが、人にとっては、何よりもツラいのだと思います。
もちろん――
人は、できることなら、一切の不安を感じずに、期待だけを感じて暮らしていきたいわけですが――
そんなウマい話があるわけはなく――
一般に――
変化や刺激というものは、それが自分にとって好ましいものであるかどうかが、ギリギリまでわかりません。
自分に直に関わるその段になって初めて――
好ましいものだとわかったり、好ましくないものだとわかったり――
かくして――
期待と不安とは常に原理的に同根なのです。