言葉での記述には限界があって――
それゆえに――
言葉だけで情報をやりとりしている限りは、どうしても不正確さや曖昧さが残るのですが――
それ自体は仕方のないことです。
人は、人らしいことを言葉なくしては容易にできません。
自分で考えたり、自分の気持ちを表したり、誰かと会話を交わしたり――
これら営為は、言葉あってこそです。
ところが――
日頃から、言葉の記述だけをやっていると――
その不正確さや曖昧さに、つい鈍くなってしまうのですね。
「鈍くなってしまう」がキツすぎるなら――
「寛容になりすぎてしまう」とでもしておきましょうか。
言葉は有用で大切ですが――
その不正確さや曖昧さを忘れていれば、言葉は時に害悪になりえます。
人を現実から逃避させ、虚構の殻に閉じこもらせる――
しかも、閉じこもっている当人には、それを自覚させない――
言葉は、厄介な代物です。