生半可な知識や理解のままで、何か意見をいうと――
中途半端な意見にしかなりません。
少なくとも――
聞く人が聞いたら「中途半端だな」と感じてしまうような――
そんな意見です。
何か意見をいおうと思ったら――
その意見を説明するのに必要な知識や理解の10倍くらいは必要です。
そういう知識や理解は、狙って蓄えられるものではありません。
日ごろから無意識のうちに蓄えていなければなりません。
ですから――
人は、ごく限られた分野についてしか、意見をいえないものです。
無意識のうちに興味をもって、しぜんと知識や理解を蓄えてしまうような――
もし、ありとあらゆる分野について、何か意見をいえる人というのが、実在するならば――
その人は、実に凄まじい量の知識や理解を備えているということになります。
が――
そんな人に、僕はお目にかかったことがありません。
それくらい凄まじい量の知識や理解を備えるということは――
たぶん人間業ではないでしょう。