非の打ちどころのないスローガンは――
実効性に乏しいものです。
誰もが、
――そうだ! その通りだ!
と頷くようなスローガンは――
具体性に欠け、人々の心に響かず、ともすれば形骸化をしやすいのです。
実効性のあるスローガンとは、
――え? いいの? そんなんで?
というものがよいでしょう。
例えば、
――国際感覚の豊かな教養人であれ!
ではなく、
――何か一つ日本人の誇りをもとう!
というように――
この2つのスローガン――
一見、ぜんぜん違うように思えますが――
よく考えてみると――
どちらも目指す方向は同じなのです。
何が日本人の誇りとなりうるかを冷静に見極められる教養人は――
外国人の誇りを理解し、共感し、尊重することができるのです。