中身がないのに、なぜか盛り上がる議論というのがあって――
(なんで、こんなに盛り上がってんだ?)
と――
首をかしげたくなることが時々あるのですが――
それは――
たぶん議論には中身以上に容器が大切だからでしょう。
議論の容器というのは――
とりもなおさず、議論の様式・図式のことです。
誰が論陣を張っていて――
誰が、それを突き崩そうとしているのか――
そうした文脈や状況が整っているほどに――
議論というものは盛り上がるのです。
逆に――
そうした文脈や状況が明らかでないときは――
どんなに中身の濃い議論がなされていても、まったく盛り上がらない――
少し露骨な言い方をしてみれば――
多少の軋轢や衝突がないと、議論は決して盛り上がらないのです。