――学問とは遊びである。
ということを――
20代の僕は、かなり本気で信じていました。
実をいえば――
今でも、ちょっと本気で信じているのですが――
まあ――
それは、いわば願望みたいなものでして――
事実――
世の中に、学問を遊びだと思っている人は、そんなには多くないわけです。
そうした世の中で、巧く立ち回っていくには、「学問とは遊びである」などと本気で主張するのは、得策ではないわけですよ。
学問を遊びとは思っていない人たちに怒られますので……(苦笑
それでも――
僕は、自分の主張を曲げたくなくて――
今は、その「主張」を「願望」に置き換え、それとなく保持しているわけですけれども――
つまり――
僕は今でも、基本的には、学問は遊びだと思っています。
ただ、話は、そう単純ではなくて――
その「遊び」を職業にしている人たちにとっては、決して学問は遊びではないわけですよ。
それは――
例えば、プロ棋士が将棋を遊びとは思っていないように――