――責任をとる。
というのは、
――最後まで放り出さない、逃げ出さない。
ということです。
例えば、
――この判断は、私の責任において、下す。
というときに――
「責任をとる」ということは、その判断が誤っていた場合でも、最後まで自分に課せられた仕事をやりとげる――
ということです。
よって、お決まりの「責任をとって辞任せよ」という糾弾は――
あきらかに、おかしい――
この糾弾の真意は、
――責任をとらせないという懲罰を受けよ。
ということです。
たしかに、「責任をとらせない」という懲罰は、責任感のある人には効果的ではありましょうが――
しょせんは懲罰です。
はなはだ不毛で、非建設的であるばかりか――
人世に怨念が渦巻く要因の一つです。
無責任な人を多く生み出す結果ともなりかねません。