――品格
というものは――
身につけるものではなくて――
おのずから備わっているものです。
どんなに「品格」を身につけようと努力をしても――
その努力は、たぶん無駄になってしまうのです。
品格は、おのずから備わっているものですから――
今さら、それを身につけようとしても仕方がありません。
それよりは――
品格を見定める眼力を養う――
そちらのほうが、ずっと有意義であるように思います。
つまり――
ある人について、品格が備わっているのかいないのかを、正確に見極める――
その見極めが、つねに的確にできるようになれば、
――品格とは何か。
を少なくとも理解はしたことになるでしょう。
もちろん――
それを理解したからといって、決して品格が備わるわけではないということは、重々承知の上で――
ひところ、「品格とは何か」という主題の本が何冊も続けて上梓されていましたが――
ああした出版動向の背景には、
――品格とは、身につけるべきではなくて見極めるべきもの――
との総意があったように感じます。