個人には皆、得手・不得手があって――
それらを補完しあって組織が編まれるわけですが……。
組織が編まれる原理というものをあまり深く考えたことがないような人には――
たぶん、なかなかピンとこないでしょうね。
自分の能力に絶対の自信のある人は――
世の中の営みの多くが、個人ではなくて、組織によって営まれているということに我慢がならないといいます。
もちろん――
個人によって営まれているものも、この世の中には、少なからずありますから――
そういう人たちは、そちらの営みに関心をもって自分の履歴を積み上げていくことになるのでしょうが――
個人には、必ずや得手・不得手があって――
しかも、人である以上は、どんな個人もミスをしうるのであって――
世の中の厳しい現実に立ち向かっていくには、あまりにも非力なのです。
ですから――
個人が単独で世の中を渡っていくのは、大変に険しい道のりといわざるをえない――
結局――
組織とは、個人が、この「世の中の厳しい現実」に立ち向かっていきながらも、少しでも確実に生き残っていくための仕組みであって――
根本的には、個人の生存本能に立脚しているのだと感じます。
組織が編まれる原理は、個人の生存本能が司っているのです。