何とはなしに話を始めて――
何とはなしに話が終わる――
そういう雑談を講義の合間に挟むのが上手な先生が――
時々いらっしゃいます。
たいていは予備校とか学習塾とかにいらして――
高校とか大学とかでは珍しいようです。
高校や大学の先生たちは、むしろ、
雑談 = 余計なもの
とみなしていらっしゃり、
――雑談の全く混じらない講義こそが理想形である。
と堅く信じていらっしゃるようなところがあります。
実際には、そんなことはなくて――
ある程度の雑談の混じる講義こそが理想形です。
なぜならば――
そのほうが、聴講生(高校生や大学生)の印象に強く残り、かつ、聴講生が本題の理解を的確に深めることができるからです。
何よりの証左は――
いわゆる一流のプロの講演のほとんどは、必ず雑談が重要な役割を果たしているからです。
何気ない雑談が、実は、講演の本題と奥底でつながっていたり――
始めは雑談だと思われていた話題が、実は本題であったりして――
高校や大学の講義も、雑談が適度に混じって完成されることに変わりはありません。