マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自分以外の誰かのプライベートの話には

 自分以外の誰かのプライベートの話には――
 面白いものと――
 そんなに面白くはないものとがあります。

「そんなに面白くはないもの」というのは――
 もっといえば、つまらない話、うんざりさせられる話――
 ということですね。

 なぜ2つに分けられるのか――

 僕は、勝手に次のように分析しています。

 ――自分以外の誰かのプライベートというものは、ありのまま真実であれば「そんなには面白くないこと」であり、多少の嘘が混じっていれば「面白いこと」であるに違いない。

 と――

 例えば、自分以外の誰かのプライベートが語られようとするときに――
 その人のプライベートを、その人以外の別の人が少し脚色して語ったら、ときに信じられないくらいに面白くなるのに――
 その人自身が具体的かつ詳細に語ったら――つまり、赤裸々に語ったら――どうしようもなくつまらなくなる、ということが――
 珍しくはないからです。

「赤裸々に」なのに、つまらなくなる――
 しかも、語っている当人の思考力が逞しく、表現力が豊かで、構成力が高ければ高いほどに、つまらなくなる――

 つまり――
 ありのままの真実をありのままに語ってはいけないのですね。

 ですから――
 そのような才知に長けた人は、注意をしたほうがよいでしょう。

 だって――
 自分のプライベートを赤裸々に語れば、かえってつまらなくなるので――
 語るだけ損ですよね。

 ところが――
 ありのままの真実をありのままに語れない人は、そうではありません。

 つい尾ひれをつけてしまう人、つい肝心なことを端折ってしまう人――
 そういう人が自分のプライベートを語れば、ときに信じられないくらいに面白くなります。