西欧人の描く西欧人の顔が――
(あんまり外国人っぽくないな~)
と思うことがあります。
(どっちかというと、日本人っぽいな~)
と――
……
……
なぜなのでしょうね。
……
……
もしかして――
人が、人の顔を認識し、絵に描いて表現する過程で――
人種に固有の顔の特徴が、多少なりとも捨象されているのでしょうかね。
つまり――
西欧人の顔には西欧人の特徴が、日本人の顔には日本人の特徴が本当はあるわけですが――
その差異は、人が人の顔を描くときには無視されやすいのではないか、ということです。
そして、その捨象の過程は、西欧人にも日本人にも共通している、と――
もし、この考えが正しければ――
西欧人が、西欧人と日本人とを並べて描写するときに――
日本人の顔は西欧人とは異質に描かれるに違いないのですが――
西欧人が描く日本人の顔は、日本人の目には全くもって日本人らしくみえてこない――
その日本人の顔は、西欧人にとって、おそらくは明らかに異邦人とわかるような顔貌で描かれていて――
それは日本人にとっても、なぜか異邦人の顔貌にみえてしまう――
そういうことが予想されます。
もちろん――
上記の議論は、「西欧人」と「日本人」とを入れ換えても成り立つでしょう。