大人の人づきあいは――
最後は、
――利己心か、利他心か。
この問題に集約されると思うのです。
利己心を優先すれば――
短期的には、自分の利益を守れ、損害を防げるでしょう。
が――
長期的には、他者の信用・信頼を失うことになりかねない――
利他心を優先すれば――
長期的には、他者の信用・信頼を得られるでしょう。
が――
短期的には、自分の利益を失い、損害を広げるでしょう。
どちらを優先しようと――
結局は、自分の利益の問題であり、自分の損害の問題であり、自分の信用・信頼の問題なのです。
大人は、この利己心と利他心とを上手に使い分けることが期待されます。
利己心だけではダメですし、利他心だけでもダメなのです。
が――
その使い分けの手の内を読まれてもよくない――
利己心と利他心とをあからさまに使い分けていれば――
それは上手な使い分けとはいえません。
利己心と思わせつつも利他心で――
利他心と思わせつつも利己心で――
それが理想です。