せっかく楽天イーグルスが日本シリーズを闘っているときに――
僕は、仙台を留守にしなければなりませんで――
きのう&きょうと――
父の13回忌で岡山におりました。
11月3日が父の命日なのですね。
きのうまでで3勝3敗のタイ――
きょうの第7戦で勝ったほうが日本一になるという大一番なのに――
スタジアムはおろか、自宅でTV観戦もできないというのは――
やはり、ちょっと寂しい――
まあ、仕方ないですがね。
自分の父親の13回忌ですから――
息子が列席しないわけにいきません。
そのようなわけで――
きょうの試合の結果を、僕は帰りの新幹線の中で、他のお客さん同士の会話を聞いて知りました。
「楽天、勝った」
「おお~」
みたいな――
なんとも味気ない――
仙台駅で新幹線から降りるまでに――
ちょっと野球のことを絡めて父を思い出していました。
父は、あまり野球が好きではありませんでした。
まったく観ないわけではありませんでしたが――
観るとしたら高校野球ばかりでして――
プロ野球には、まったくといってよいほどに、興味ないようでした。
毎年、10月の末頃になると、
――日本シリーズの何がそんなに面白いんだ? どうせチケット代を稼ぐために7試合やるよう仕組んでるんだろう?
などと乾いた笑い声を立てていました。
父がプロ野球を好きになれなかった理由の一つは――
おそらくは地域性のなさです。
素朴な郷土愛のようなものを――
父はもっていました。
高校野球では、自分が生まれ育った千葉の代表校を何とはなしに応援していました。
千葉の代表校が敗れると、同じ関東の代表校を応援していました。
ですから――
もし、父が今も生きていてたら――
ひょっとすると、楽天イーグルスには関心をもったかもしれません――息子が長いあいだ暮らしている街のプロ野球チームなので――
父が生きていた頃は――
プロ野球に今ほどの地域性は感じられませんでした。
読売・中日・阪神・南海・近鉄・阪急・西武・ヤクルト・ロッテ・日本ハム――新聞社や鉄道会社・食品会社の広告のようなプロ野球に――
父は魅力を感じられなかったのでしょう。
もちろん、今でも立派な広告ではあるのですが――
それなりに郷土愛に根差し始めてはいる――地域性が感じられ始めてはいる――
父も、
――おまえんとこの楽天は、今年は、ずいぶん勝ってるな。
くらいのことをいったかもしれない――
(プロ野球は、地域性を帯びるだけで、こんなにも変わるのか)
ということを――
僕は、父の言動から察したかもしれません。