――動画
という言葉がありますね。
現在では、ネットで提示されている映像を指す言葉として、すっかり一般的になっていますが――
僕には、この言葉がつくづく不思議に思えます。
というのは――
僕は、この「動画」という言葉を、子供の頃に、
――「アニメーション」の古めかしい云い方
として記憶したからです。
(へえ~、昔はアニメのことを「動画」なんて言い方してたのか~)
と――
たしかに、小学生の頃の僕は「動画」という言葉に復古調的な響きを感じとっていたのでした。
1980年代のことです。
それが、どうしたわけか――
2010年代の今では、そうした復古調的な響きが全く感じとれない――
まるで「動画」という言葉が時代の最先端を走っている新語であるかのような――
そんな感覚すら持っているのです。
これが言葉に備わる奥行きの深さなのだと思います。