きのうの『道草日記』で、
――たいていのことは「ほどほどに」がよい。
と述べましたが――
なかには「ほどほどに」ではないほうがよいこともありまして――
その最たる例が、
――嘘をつかない。
であろうと思います。
こと嘘をつかないということに関しては、「ほどほどに」ではなく、「徹底的に」がよいと思うのです。
嘘をつかないということは、いつも本当のことをいうということではありません。
本当のことは、いわないほうがよいときは、いわないほうがよい――
が――
嘘をつくほうがよいときというのは、たぶんありません。
どんなときでも、嘘だけはつかないほうがよい――ついてよい嘘などはない――
ということです。
百歩ゆずって――
ついてよい嘘があるとしたら、それは絶対に嘘だとわからない嘘です。
墓場まで持っていける嘘――
そういう嘘をちゃんとつけるのなら――
ついてもよいかもしれませんね。