マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

始まりの終わり、終わりの始まり

 ――始まりの終わり

 と、

 ――終わりの始まり

 と、
(どちらが大事かな)
 と考えたことがあります。

 どちらで、より確かな気持ちを保つべきか、より強く緊張感を抱くべきか――

 こうして改めて考えてみると、
(あれ、どっちだ?)
 と逡巡してしまうのですが――

 具体的に考えれば、わかります。

 例えば――
 学校の運動会(体育祭)に喩えれば、「始まりの終わり」は閉会式の終了ということで、「終わりの始まり」は閉会式の開始です。

 ――よ~し、これから競技が始まるぞ!

 と息巻くのと、

 ――やれやれ。あとは閉会式を残すだけ……。

 と安堵できるのとでは――
 えらい違いです。

 とはいえ――
 閉会式も大事ではあるのですよね。

 運動会の余韻を好ましく保つには、閉会式だっておろそかにはできません。

 つまり、「始まりの終わり」と「終わりの始まり」と、どちらが大事かといえば――
 それは、もちろん「始まりの終わり」が大事だけれども、「終わりの始まり」だって大事でないわけではない――
 ということです。