マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

複雑怪奇な現実から遊離して、単純明快な虚構に傾倒する

 政治に虚構が加わると――
 たいていは大惨事になります。

 それは――
 ときに社会的規模の惨事です。

 虚構とは「現実からの遊離」で――
 政治とは「社会における利害調整」です。

 よって、政治に虚構が加われば――
 現実から遊離した利害調整が行われ――

 その結果――
 社会全体で大きな利を失ったり、大きな害を被ったりするのです。

 昭和初期の日本社会が典型ではなかったかと感じます。

 が――
 政治は、そもそも原理的に虚構を求めたがるものです。

 社会における利害調整には、社会の構成員にとってわかりやすい理念や提言が有効だからです。

 複雑怪奇な現実から遊離して――
 単純明快な虚構に傾倒する――
 そういう傾向が、政治には、どうしてもつきまといます。