人の感情のうち――
自分で意識できるものを、
――感覚
意識できないものを、
――情動
と呼ぶことにしますと――
たぶん人の言動の多くは「情動」によって決定されています。
情動が決定した言動を、あるいは決定しかけている言動を、感覚で確かめる――
例えば――
ある人が自分の目の前に現れ、
――この人には親切にしてあげたい。
と何となく思った場合に――
その思いは感覚であり、その思いを無意識に導き出した心の動きは情動であろう、ということです。
感覚は、おそらくは感情の「氷山の一角」であり――
微小な感覚の「海面下」には巨大な情動が隠れているでしょう。
感覚の強さは、情動の強さに比べれば、おそらく取るに足りませんが――
それでも――
その微小な感覚に気づかなければ、巨大な情動にも気づけないのですね。
情動を野放図にしないためにも、感覚は大切です。