できれば苛立つことなく、腹を立てずに、暮らしていきたいわけですが――
そうもいきませんね。
人の世をふつうに生きていけば――
ときに苛立ったり腹を立てたりするのは、たぶん、しぜんな成りゆきです。
そうならないように暮らしていくには――
苛立つことや腹の立つことを見聞きしても、無視をするに限ります。
「無視する」が表現として強すぎるならば、
――受け流す。
あるいは、今風に、
――スルーする。
といっても、よいでしょう。
一方で、
――無視するのではなく、忘れればよい。
という考え方もありますが――
あまり実用的ではないように感じます。
というのは――
人は、苛立つことや腹の立つことをいったん心で受け止めてしまうと――
それを忘れるのは、容易ではありません。
いつまでも覚えてしまっている――
苛立つことや腹の立つことは、はじめから受け止めないのが一番なのです。