きのうまでの『道草日記』で――
仕事には少なくとも2つの型があって――
一つは利益追求型であり、もう一つは損害抑制型だと述べました。
いま自分が直面している仕事は、どちらの型なのか――
その現状認識は、その都度、的確に実践しなければならない、と――
その認識に際し、決して忘れられない観点は、
――誰のための利益追求か。誰のための損害抑制か。
というものです。
多くの場合――
利益追求は自分や自分たちのためであり――
損害抑制は自分以外の誰かのためです。
例えば――
起業・開発は、自分や自分たちの企業の収益を確保することが目的ですし――
医療・福祉は、患者・障碍者の疾病・障碍を治癒・緩和することが目的です。
とはいえ――
話は、そう単純ではない――
これらは、すべて大局的な現状認識であって――
個々の局面では、異なる認識が求められます。
例えば――
自分や自分たちの企業が収益を確保するためには、誰かのために利益を誘導しなければなりませんし――
自分や自分たちが患者・障碍者に奉仕する場合には、見返りとして相応の報酬を手にするのが普通です。
このような複雑な構図が、どの仕事にも潜んでいるからこそ――
仕事の型は、個々の局面によって、利益追求から損害抑制に変わったり、損害抑制から利益追求に変わったりするのです。
局面がコロコロと変わるからこそ――
限局的な現状認識と大局的な現状認識との双方が、常に求められているといってよいでしょう。