3月10日の『道草日記』で、
――ビジネスには土台がある。
と述べました。
そして――
その「土台」に挙げられるのが、
――現状認識
である、と――自分が取り組むべき仕事に関わる現状認識ですね。
が――
その「土台」に挙げられるのは「現状認識」だけではありません。
例えば、「問題解決」です。
自分が取り組むべき仕事の問題は何か――どこに問題があるのか――
その問題は解決可能か――解決可能なら、どのように解決していくのか――
問題を解決するには、当たり前ながら、解決できる問題に取り組まなければなりません。
解決できない問題に取り組んでいたのでは、いつまでたっても解決できないのです。
例えば、統計で病死者数が冬に増加しているのをみて、
――冬は老人や病人には耐えがたいから、冬がやってこないようにしよう。
と考えたとしますと――
これでは、問題を解決できませんね。
冬の到来は、たしかに老人や病人には深刻な問題ですが、解決可能な問題ではありません。
冬が到来しないように仕向けるというのは人知を超えています。
が、
――問題なのは、冬それ自体ではなく、冬の寒さだ。
と考えれば――
それは解決可能な問題です――老人や病人の体を冷やさないように対策を立てればよい――
この際に大切なことは――
冬の寒さに手立てを講じるときは、冬の到来という深刻な問題があることは忘れないが、同時に、それが解決可能な問題ではないということも肝に銘じたうえで、あとは一切、手を出さない――
ということです。
解決可能でない問題をそのままに、解決可能な問題に取り組んでいく――
解決可能な問題だけをみているのではなく、解決可能でない問題にも目配りを忘れない――
このことは――
先ほどの「冬」の例を持ち出せば――
なぜ冬が到来するのかの問題意識は保ったままで、冬の寒さに手立てを講じていくということです。
この問題解決の発想は――
なぜ冬が到来するのかの理解とは関係なく――つまり、太陽系の構造や惑星の運行についての理解があろうとなかろうと――有効であるという点で――
普遍的といえます。