何気なくみていて、
――ぎょっ!
としてしまう絵というのが――
ありますよね。
(うわ~、気持ち悪い)
や、
(う~む、不愉快だ)
と思わせる絵が――
そういう絵であっても――
それが、みている人のほとんどを「ぎょっ!」とさせるのであれば――
それは、間違いなく――
普遍的な絵です。
誤解を恐れずにいえば、
――普遍的な美醜の描き込まれた絵
といってよいでしょう。
絵画などの視覚的造形作品には、
――美しい、醜い
の他に、
――巧い、拙い
の尺度が必要だと考えています。
これら2つの尺度は――
決して平面座標型の縦軸や横軸としてではなく、円グラフ型のようなイメージで捉えるのがよいと――
僕は考えています。
すなわち――
円グラフの12時方向を“巧い”、6時方向を“拙い”と定め――
12時方向の右方を“最高の美”と定めるならば――
12時方向の左方は“最高の醜”となる――
ということです。
つまり、“巧い醜さ”と“巧い美しさ”とは――
本質的には区別がつかないのではないか――あるいは、つけるべきではないのではないか――
ということです。
もちろん、“拙い醜さ”と“拙い美しさ”とも、同様です。