マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

プロスポーツの娯楽性に潜む“原理的な残酷さ”

 当初、ここに書くつもりはなかったのですが――
 2日が経っても、いまだに、
 
 ――呆然
 
 の感覚が残っているので――
 書くことにします。
 
     *
 
 サッカーのワールドカップ・ブラジル大会・準決勝のことです。
 開催国のブラジルが 1-7 でドイツに敗れました。
 
  1-7
 
 というのは――
 昨今のワールドカップの試合としては、ちょっと信じられないスコアです。
 
 7月9日の朝――
 僕は、この試合が終了する間際にTVをつけたのですが――
 そのときの画面のスコア表示は、
 
  0-7
 
 でした。
 後半45分に、ブラジルが1点を返す直前にTVをつけたのです。
 
 が――
 その「0-7」を――
 僕は「0-1」と見間違えたのですね。
 
(お! ブラジル、負けてんだ)
 と――
 ふつうに思ったものです。
 
(まぁ、今のドイツは好調みたいだから、ブラジルが負けることもあるだろうなぁ)
 と――
 
 ところが――
 すぐに見間違えに気づきます。
 
 スコア表示が「0-7」であるとわかり、
(ええ~?)
 と、わが目を疑いました。
 
(それ……ホント?)
 と――
 
     *
 
 一般に、
 
 ――意外な結末
 
 というものは――
 ある程度、予測がついていた場合には、
 
 ――衝撃
 
 となりますが――
 まったく予測がついていない場合には、
 
 ――呆然
 
 となります。
 もっといえば、
 
 ――しらけてしまう。
 
 でしょう。
 
 ……
 
 ……
 
 たしかに、しらけていましたね。
 
 少なくとも各種の報道が伝える限りでは――
 今回のブラジルの敗戦には、世界中のサッカーファンが、多かれ少なかれ、しらけていました。
 
 この「しらけ」は、プロスポーツの娯楽性に潜む“原理的な残酷さ”だと、僕は思います。
 
 プロスポーツは、ファンにとっては、娯楽性こそが本質ですが――
 プレイヤーにとっては、あくまで真剣勝負なのでよね。
 
 ですから――
 今回の試合のような結末は、一定の確率で、必ず起こるのです。
 
 プレイヤーにとっても、娯楽性が本質なら――
 たぶん絶対に起こらないでしょう。