小説でもマンガでもTVドラマでも――
真夜中に、ひっそり楽しむからこそ、面白いと感じられるものが――
多々あると思っています。
朝の清々しい時間帯に読む小説――
のどかな昼下がりに読むマンガ――
宵の口のゴールデンタイムに観るTVドラマ――
もちろん――
みな、それぞれに趣きはあるのですが――
それら作品のすべては――
例えば、真夜中の1時すぎに、ひっそりと楽しむことで――
まったく違った趣きの作品に変貌しうるのです。
これは、何も小説やマンガやTVドラマに限ったことではありません。
むしろ、僕が強調したいのは――
論文や学術書の類いのほうです。
いわゆる“お堅い”文献こそ、読む時間帯によって、まったく様相が違ってくる――
僕自身、二十歳前後の頃に夢中になって読んだ科学書の多くが――
そんな“ひっそり”の歓びの記憶とともにあります。