マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

鏡の視野は狭い

 ――広告は時代を写す鏡
 
 といわれますが――
 
(なんで広告が時代を写してると考えるわけ?)
 と不思議に思っていました。
 
 だって――
 広告というのは、どれも、
 
 ――これあげるから、おカネちょうだい。
 
 といっているにすぎない――
 と思っていたからです。
 
 今でも、その思いに違いはありませんが――
 最近、「広告は時代を写す鏡」と意味が少しわかるようになってきました。
 
 この言葉――
「時代の変化を明瞭に写し出す鏡」というところに力点があるのではなく――
「鏡が写し出せる時代の範囲は限られている」というところに力点があるのではないか、と――
 
 鏡をみていると、ときどき、まどろっこしく思うことがあります。
 
(ああ、視野が狭い!)
 と――
 
 鏡というものは、窓とは違い――
 顔を突き出して、その向こう側を広く見渡す、ということはできないのです。