どんな仕事も――
続けていくのは大変なのですが――
自分以外の誰かが懸命に続けている仕事のことを、
(何となく簡単そう……)
と思ってしまうときがあります。
いま自分が続けている仕事であれば――
それは、今まさに自分が続けている最中なので、その仕事の特に難しいところ、あるいは、とりわけ厄介なところが、よくみえてくるのですが――
自分以外の誰かが懸命に続けている仕事については、自分は、よく知らないものだから――
その表層だけをみて、「何となく簡単そう……」と思ってしまう――
――知らない。
ということは、とにかく恐ろしいことです。
とはいえ――
人は、すべてを知ることはできません。
この世に存在するありとあらゆる仕事を知るということは――
とうてい不可能です。
そこを補うのが、
――想像
でしょう。
知らないからこそ――
人は、想像をしなければならない――
何となく簡単そうにみえる仕事であっても――
十分に想像をしていけば、しだいに、その難しさがみえてくるものです。