マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

趣味人

 ――趣味人
 
 という言葉があります。
 
 ――趣味を生活に取りこんでいる人
 
 とか、
 
 ――趣味を生きがいにしている人
 
 といった意味だそうです。
 
 これら2つの意味――
 似ているようで、わりと明確に違うように、僕には感じられます。
 
「趣味を生活に取りこんでいる」とは、
 
 ――普通に生活をしながら、しぜんと趣味を楽しんでいる。
 
 という意味でしょう。
 一方、「趣味を生きがいにしている」とは、
 
 ――趣味を楽しむことに自分の人生の目的を見出している。
 
 という意味でしょう。
 
「趣味を生きがいにしている」よりは、「趣味を生活に取りこんでいる」のほうが――
 なんとなく余裕のある生き方のように感じられませんか。
 
 ……
 
 ……
 
 僕は――
 趣味人とは、「趣味を生活に取り込んでいる人」のことだと思っています――
 決して「趣味を生きがいにしている人」ではない、と――
 
 趣味の本質は、
 
 ――やってもやらなくてもよいこと
 
 ではないでしょうか。
 
 その「やってもやらなくてもよいこと」に「生きがい」を見出すというのは――
 ちょっと違うように思うのです。
 
 ――趣味は何ですか。
 
 と訊かれ、
 
 ――釣りです。3度の飯より釣りが好き。釣りをするために生きているようなものですよ。
 
 と答える人よりも、
 
 ――釣りです。気がつけば釣りばかりしてますね。でも、別にいつやめてもいいんだな~。
 
 と答える人のほうが、いかにも「趣味人」という感じがするのです。