収入のあり方と心理的なストレスとの間には、密接な関係がある、と――
つい考えてしまいがちですが――
(実は、そんな関係はないかもしれない)
と感じております。
一般に――
収入が安定していない職業――例えば、収入が月ごとに乱高下する職業――では、ストレスは物すごいはずですよね。
が――
収入が安定している職業というのも、それなりにストレスは物すごいと思うのです。
とくに、その収入が「高値安定」ないし「やや高値で安定」である場合には、なおのこと――
もちろん――
つねに一定の収入を期待できるという意味では、ストレスはかかりません。
が――
そんな収入の職業に就いている人たちの話を丹念に聞いていくと――
収入のこと以外の面では、相応のストレスがかかっているようです――例えば、リスクを常に意識しなければならない仕事だとか、職場の人間関係の構築が難しいとか、仕事のモチベーションが保てないとか――
いずれも、「収入が安定している職業」に就き続けようとすることから生じるストレスです。
よって――
もし、
――将来をラクに生きるには、収入の安定している職業がよい。
と考える中学生や高校生がいるならば――
ぜひ伝えてあげるのがよいでしょう。
――収入が安定していたら、今度は別のことでストレスがかかるんだよ。
と――
……
……
ところで――
収入が「高値安定」や「やや高値で安定」だから、ストレスがかかるのであって――
もし、「低値安定」なら、それほどのストレスはかからないのでしょうか。
……
……
そんなわけはありませんね。
現実問題として――
収入が「低値安定」なら、当然のことながら、けっこうな蓄えでもない限りは、生計が成り立ちません。
ということは――
収入が「低値安定」でも、やはり、
――ストレスが物すごい。
とはいえそうですね。
要するに――
どんな収入の職業であっても、結局は「ストレスが物すごい」といえるのであって――
「ストレスが物すごい」わけではない職業は、仮に実在するにしても、珍しいに違いない――
ということが、いえそうです。
収入のあり方と心理的なストレスとの間に、それほど密接な関係はないのではないか、というのは――
そうしたことによります。