(世の中には「知らなくてもよいこと」というのが、たしかにある)
と感じています。
――知らなくてもよいこと
というのは――
世の中の大部分の人たちがまったく知らないことで――
かつ――
そのことを知った後では自分の言動にどうしても一定の変化が出てしまうようなことです。
例えば――
以前の友人たちから、気づいたら、
――あいつは最近すっかり変わってしまった。
と嘆かれたりしていて――
――変だなぁ~。思い当たる節は、ないのになぁ~。
と訝っていたら、
――あ、そうか……。あのことを知っちゃったからか……!
と絶句する――
「知らなくてもよいこと」を知ることの衝撃は――
必ず知った後で襲ってきます――
必ず知った後で――
そのときに後悔をしても――
遅いのです。
いったん知ってしまったら――
もう忘れるしかないのですよね。
が――
そんな重大なこと――知ることで自分の言動にどうしても一定の変化が出てしまうようなこと――などを――
人は、そう簡単には忘れられません。
よって――
以後、悶々と過ごすことになる――
(こんなこと、ぜんぜん知らなくてよかったのに~)
せめて、そのことを知る前に、
――お前は、この「知らなくてもよいこと」を本当に知りたいのか。本当に?
などと厳しく問われてでもいれば――
まだ諦めようもあるのでしょうが――
そんなふうに事前に問われることは、まずありません。
多くの人たちが、
――気がついたら、知っちゃってた。
なのです――恐ろしいことに――