自分に正直であろうと思うなら――
自分の言動に原則を貫かせておかないといけません。
原則を持たずに正直であろうとすると――
必ずトラブルメーカーになってしまうからです。
ここでいう、
――原則
とは、
――自分の発言や行動を決めるための基準
です。
例えば――
どのような文脈で、どのような発言をするか――
どのような状況で、どのような行動をするか――
こうした基準が欠けていると――
人は、同じ文脈で異なる発言をしたり、異なる状況で同じ行動をしたりします。
そうすれば、
――あいつは場当たり的だ! あまりにもご都合主義的だ!
と非難を受けやすい――
とりわけ、自分に正直であろうと思う人たちは、なおさらです。
文脈や状況の些細な違いが、人の心に重大な影響をもたらしうるからです。
自分に正直な人というのは、常に矛盾の塊です。
人それ自体が、そもそも矛盾の塊だからです。
もし、自分に正直であろうと願うなら――
まずは、「自分の発言や行動を決めるための基準」づくりで、ウソをつかないことでしょう――自分の気持ちに正直に「原則」を練り上げていく――
そして――
ひとたび練り上げた「原則」は、できる限り変更しない――追加も削除も改変も修正もしない――
自分に正直であろうと思い、かつトラブルメーカーにならないように気をつけようと思ったら――
たぶん、こうするしかありません。
ただし――
当たり前ですが――
「原則」の練り上げは、慎重にやらないといけません。
十分な手間と時間とをかけて、やるものことです。
ここを間違うと――
その人は、以後の人生を、単なる独善者として過ごすことになるでしょう。