マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

明確なことを曖昧に伝える難しさ

 明確なことを明確に伝えるよりも――
 明確なことを曖昧に伝えるほうが――
 ずっと難しいのかもしれませんね。
 
 例えば、今月になってメディアが報道した事件の全てを余すところなく把握した上で、
 
 ――今月は○○な印象を与える事件の報道が多かったように思う。
 
 と、曖昧に示唆することは、
 
  今月になって報道された事件は、以下の通りである
 
    1)☆☆という事件
    2)△△という事件
    3)□□という事件
       :
       :
 
 と、明確に列挙するよりも、ずっと難しいのではないか――
 ということです。
 
 何かを伝えるときに、その内容が、いかなる内容であっても――
 その内容の輪郭を正確に描き、その要点を的確に掴むことは、かなり難しいものです。
 
 さらに――
 そのようにして描いた輪郭や掴んだ要点を、わざわざぼかして伝えることは、もっと難しい――
 輪郭や要点をぼかす過程で、本来の輪郭を逸脱したり、肝心な要点を捨象したりしかねないからです。
 
 ところが――
 一般に、明確なことを曖昧に伝えている人よりも、明確なことを明確に伝えている人のほうが、何だか賢そうにみえるのですよね。
 
 明確なことを曖昧に伝える難しさは――
 それをどうやって説明したら、世間で広く共有されようになるのか――
 目下、思案中です。