解決すべき問題が、あまりにも大きいと――
たとえ、その問題に多くの人たちが取りくんでいても――
一向に解決されない――
ということが、よくあります。
皆が、めいめい勝手に取りくんでいるものだから――
問題が一向に解決されないばかりか――
問題の全容が明らかになることさえ、ないのですね。
そうした問題を――
例えば、巨大な岩石に喩えてみましょう。
すると――
岩石の表面に大勢の人たちが取りついて――
皆、ハンマーのようなものを振りあげて、鑿(のみ)のようなものを岩石の表面に懸命に打ち込んでいるけれども――
そもそも、その岩石が、どれくらいの大きさで、どんな形をしていて、どの場所にあって――
それによって何が不都合であり、その不都合は、その岩石をどのように処理すれば解消されるのかについては――
実は、誰もがわかっていない――およその見当さえついていない――
そんな状況に似ています。
まずは、皆で、いったん岩石から離れ、その大きさや形や場所を遠景でみて――
その岩石の何が不都合であり、どのように処理すれば不都合が解消されるのかを、慎重に考えるべきでしょう。
その巨大な岩石は――
すべて細かく砕いてしまう必要があるとは限らないはずです。
あるいは――
どこか遠くに運び出してしまう必要があるとも限らないはずです。