――人は、障害者になると、「まわりの人たちが自分に合わせるのが当然……」と思うもののようです。
という言葉を聞いて――
ハッとしました。
それは、実際に障害を負われている方の言葉でした。
中年期までは健常者として普通に暮らしていて――
その後、初老期になって、急速に視力を失った――
という男性の言葉です。
(ああ……。たしかに、そうなんだろうな)
と強く思いました。
僕は、幸い今日まで障害を負わずに生きてこられましたが――
もし、明日から障害を負うのだとしたら――
たしかに、きっと、
――まわりの人たちが自分に合わせるのが当然……。
と思うでしょう。
その男性の言葉に――
僕は、障害の有無を超越した普遍的人間性のようなものを感じとったのだと思います。