人が人であるためには、
――感情のコントロール
が必要条件であると思っています。
「必要条件」というのは――
感情のコントロールができるからといって、常に人らしく振る舞えるとは限らないけれども――
感情のコントロールができなければ、とうてい人らしく振る舞えるはずがない――
という意味です。
「感情のコントロール」というのは――
たんに自分の感情を押し殺すことではありません。
もちろん、押し殺すことは含まれますが――
ときには自分の感情を煽り立てることも含まれます。
自分の感情の変化に敏感になり――
その変化に合わせて、例えば、知覚の様相や思考の内容を変えていく――
例えば――
ウキウキしているときには、あえて慎重に――
イライラしているときには、あえて鷹揚に――
ノンビリしているときには、あえて迅速に――
セカセカしているときには、あえて丁寧に――
この「感情のコントロール」に――
人は、自分の精神力の過半を注ぎ込んで生きていくのだと――
僕は思っています。
――いかに生きるか。
との問いは、
――いかに感情をコントロールするか。
と同義ではないでしょうか。