――嬉しい。
――楽しい。
――ありがたい。
といった正の感情ではなく、
――苦しい。
――悲しい。
――腹立たしい。
といった負の感情を共有できる人どうしのほうが、相性は良い――
という考え方があります。
なぜならば――
人は、正の感情を共有できない落胆よりも、負の感情を共有できない苦痛のほうが、耐え難く感じられるからです。
ですから――
例えば、
――友だちを作りたい。
という時には――
正の感情ではなく、負の感情を共有できそうな人に近づくに限る――
ということになります。
こういう主張を見聞きすると、
――どうして、そんなネガティブな見方をするかな~。
と苛立つ向きがあります。
たしかに、僕もそう思っていました――10代、20代の頃は――
が――
今40歳を越えて改めて思うことは、
――“人の悩みの大半は人間関係の不具合が原因の負の感情である”ということを直視すれば、やむを得ない。
ということです。
人は誰しも、できればポジティブに生きていきたいと願う存在です――「ポジティブ」というのは、「積極的かつ挑戦的に」ということです。
が――
残念ながら――
それは、たぶんキレイごとなのです。
ポジティブにこだわってはダメだ――時にはネガティブに生きていくほうがよいこともある――「ネガティブに」というのは、「消極的かつ保身的に」ということです。
その意義を認める勇気が――
ある一定の年齢を越えたら、どうしても必要になってくるのではないか、と――
僕は感じています。