――感性は性欲に比例する。
とは――
即座に納得――
(たしかに~!)
と思いました。
同時に、
(すごい!)
とも思いました。
朝のトーク番組で「感性は性欲に……」ですからね。
これ――
夜のトーク番組だったら、何ということもなく、聞き流していたと思うのですね。
朝だったらから、インパクトがあった――
もっとも――
2012年に大ヒットした新書『聞く力』の著者・阿川佐和子さんの番組です。
阿川さんだからこそ引き出せた言葉なのだろうと感じます。
で――
*
この言葉――「感性は性欲に比例する」――
文字通りの意味としては、
――性欲が強い人は、弱い人よりも感性が鋭い。
あるいは、
――性欲が強い時期は、弱い時期よりも感性が鋭い。
といったところでしょう。
が――
言外には、
――歳をとって性欲が減退するにつれ、感性も鈍っていく。
ということが示唆されているともいえます。
僕が、「たしかに~!」と即座に納得してしまったのも、その示唆のゆえんですが――
その後、約1か月が経って、少し思い直すことがありまして――
それは、
――感性は性欲に随伴する知覚の能力である。
ということが言外に示唆されているのではないか、ということです。
もう少しクダけていえば、
――感性は性欲の“おこぼれ”にすぎない。
ということですね。
僕らは、つい「感性」ときくと何か高尚なもの・本質的なものと捉え、「性欲」ときくと何か低俗なもの・些末的なものと捉えがちですが――
そうではない、と――
――もしかすると、性欲のほうが感性よりも、高尚で本質的かもしれないよ。
と――
そういうことを、糸井さんはおっしゃりたかったのではないかと思うのです。