常に正確な決断を速やかに下すには――
自分の心にゆとりが必要でしょう。
事実――
巨大組織のトップは――
いかにして自分の心にゆとりをもつかを――
毎日、考えているといいます。
以下は、人づてに聞いた話です。
*
いかなる巨大組織であっても――
そのトップの仕事というのは、1日当たり4~5時間で済ませられる量だといいます。
1日当たり4~5時間といえば、およそ半日分の勤務時間に相当するでしょう。
実に短い――
――ええ? そんなに楽なの?
と思われる向きもあるでしょうが――
実は、この「半日分の勤務時間で済ませられる」というのがミソでして――
その意味は、
――巨大組織のトップは、自分の仕事を半日で済ませられるような人でないと、務まらない。
ということなのです。
つまり、
――巨大組織のトップとしての仕事に、1日分とか0.7日分の勤務時間を要するような人は、自分の心にゆとりをもつことができないので、巨大組織のトップには向かない。
ということなのですね。
当然、この話の前提となっていることは――
巨大組織のトップとしての仕事は、そもそも短時間で終わるようにできている――
ということです。
巨大組織のトップの仕事の大部分は――
書類なり口頭なりで報告を受け、考え、感じ、決断を下すことです。
報告の要点を瞬時に理解し、分析・統合し、自分の感性を加味した上で、即座に重大な決断を下す――その一連の課題を円滑に遂行できる能力があれば――
たしかに、そんなに長い時間はいらないのですね。
余った時間で、自分の心にゆとりをもっておく――
分析・統合する思考力を鍛え、自分の感性を鋭く研ぎ澄ませておく――
それこそが、巨大組織のトップに割り当てられた重大な“仕事”である、と――
(なるほどな~)
と思いました。