――自由
という言葉は――
一見、柔らかく、明るくて、優しい言葉に感じられますが――
よく考えていくと――
案外、固く、暗くて、厳しい言葉にも感じられます。
なぜか――
どんな自由にも責任が伴うからです。
自由を楽しむのなら、それに見合った責任を果たさなければならない――
時に莫大な利益を逃したり、甚大な損害を被ったりすることがあってもなお――
あるいは――
たとえ、どんなに酷いことが自分の身に振りかかってきたとしても――
ひとたび自由を謳歌した暁には、その“酷いこと”を受け入れなければならない――
その覚悟が、「自由」の根底にはあります。
自由とは、人間が保護したり庇護したりすることではなくて――
貫徹すること――
あるいは、維持・継続することではないでしょうか。
固い意志の下に、暗い覚悟を定め、これを厳しく堅持する――
それが「自由」であろうと思うのです。
つまり――
「自由」には固さ、暗さ、厳しさもある――
ということです。