――恋愛は利益獲得型で、結婚は損害回避型だ。
と――
きのうの『道草日記』で述べました。
さらに、
――恋愛も結婚も得意な人など、ほとんどいない。
とも――
たしかに――
恋愛も結婚も両方が得意という人は、ほぼ皆無と思いますが――
恋愛でも結婚でも大きな失敗はしない人というのなら――
少なからず実在するだろうと思います。
そういう人は――
局面をよむのが巧い人です。
恋愛中は、自分が恋愛中であることを明確に意識し、利益追求・利益獲得の意思をもつ――
結婚中は、自分が結婚中であることを確実に認識し、損害抑制・損害回避の意思をもつ――
そういう意思の切り替えを無理なくできる人――
あるいは、生まれながらに、そのセンスをもっている人――
そういう人こそが――
恋愛でも結婚でも大きな失敗をしない人だと思います。
そういうセンスを生まれながらにもっている人はよいとして――
好天的に努力して手に入れるには、どうしたらよいでしょうか。
おそらく――
実体験から学ぶということでは、どうしようもありません。
恋愛で失敗をしないように、あえて失恋を繰り返しておく――
結婚で失敗をしないように、あえて離婚を繰り返しておく――
そうしておけば、たしかに恋愛や結婚の極意は悟るのでしょうが――
それでは、ふつう――
恋愛や結婚に前向きにはなれませんよね。
失恋を繰り返した人は、恋愛を忌み嫌うようになり――
離婚を繰り返した人は、結婚を恐れるようになる――
それが人情というものです。
実体験から学ぶのではなくて――
創造力や想像力で学ぶ――
恋愛や結婚の状態を詳細に創造し、その後の展開を詳細に想像する――
その上で、恋愛中の利益追求・利益獲得の意思あるいは結婚中の損害抑制・損害回避の意思を疑似体験する――
ときに創造力や想像力を駆使することで、恋愛における利益獲得型の失敗や結婚における損害回避型の失敗を疑似体験しておく――
そうすることで、恋愛中に有効な意思と結婚中に有効な意思とを明確に識別し、理解しておく――
場合によっては、
――お! 自分にとっては、恋愛の失敗より結婚の失敗のほうを、いかにもやりそうだ。
とか、
――いったん結婚しちゃえば何とかなりそうだけど、恋愛では失敗が絶えなさそうだな。
とかというように、自分の得手・不得手を正しく弁えておく――
これは、かなり難しいことだと思いますが――
でも――
たぶん、こうするよりほかはないのだろうと思います。