ここ200年くらいの日本の歴史を振り返って、
――歴史は、だいたい80年周期で繰り返す。
と、指摘する向きがあります。
具体的には――
いわゆる“幕末の動乱”が、1853年の黒船来航から1869年の戊辰戦争まで――
この間、日本は、たしかに約80年周期で不安定な時代を迎えています。
もちろん、「繰り返す」といっても、まったく同じ歴史が繰り返されるわけではなくて――
時代の趨勢や社会の雰囲気が繰り返される、ということなのでしょうが――
こうした指摘に――
僕は基本的に賛成なのですが――
きのう――
ふと考え込んでみました。
(なんで80年周期なんだろう?)
と――
(もっと長い周期でも、よさそうなのに……)
と――
なぜ80年周期なのか――
現段階での僕の推測は、
――世の中の人々が、ほぼ完全に入れ替わるのに、だいたい80年かかるから――
というものです。
日本人の平均寿命は、20世紀半ば以前、40~50年だったそうですが――
乳幼児期や青少年期に亡くなる人たちの割合が無視できなかった時代の話です。
中年期まで無事に生き延びた人たちの寿命は、もう少し長かったでしょう。
それが、ざっと60~80年ではなかったか、と――
つまり――
中年期まで生き延びて社会の諸活動に確実に参画していた人たちが、だいたい80年くらいで、ほぼ完全に入れ替わっていたのではないか、と――
そういうことです。
ちなみに――
20世紀半ば以降は――
医学知見や医療技術が目覚ましく発展し――
中年期まで生き延びる人たちの割合が飛躍的に伸びました。
そして――
それら人たちの寿命は、21世紀初頭の現在――
おそらく、ざっと60~100年でしょう。
よって――
21世紀以降――
日本の歴史は、80年周期から100年周期に変わっていくかもしれない、と――
僕は思っています。
そのほうが、辻褄が合うのですよね。
というのは――
もし、80年周期ならば――
2015年現在の日本で、“幕末の動乱”や“15年戦争”に匹敵する不安定な時代が、すでに始まっていることになるからです。
たしかに始まっていると考える人たちも、いるのですが――
常識的に考えたら――
まだ黒船来航や満州事変のような異変は起こっていません。
2011年の東日本大震災は――
たしかに異変といえば異変ですが――
あくまでも自然的な異変です。
黒船来航や満州事変のような社会的な異変に――
僕らは、まだ接していないとみるべきでしょう。
そうした社会的な異変が起こるのは――
日本の歴史が、21世紀以降、80年周期から100年周期へと本当に変わっているのだとしたら――
2030年頃の計算になります。
今から15年後のことですね。
そんなことは――
できれば、考えたくありませんけれど……。