マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

医学が最弱の学問かも……

 学問の“強さ”を、

 ――汎用性および明確性

 で計るなら――

 医学は――
 ひょっとして――
 最弱の学問なのではないか、と――
 僕は考えています。

 もちろん、「最弱の学問」と断定をするのは難しいでしょうが――
 その候補の1つに数えられることは、間違いないと思います。

 ……

 ……

 なぜ、医学が最弱なのか――

 それは――

 ……

 ……

 冒頭で――

 学問の“強さ”を、汎用性および明確性で計るなら――
 と申し上げました。

 ……

 ……

 医学に汎用性?

 そんなものは、ありませんよ。

 医学とは、病をいかに見つけ、いかに癒していくかの方法論です。
 病と向き合い、病を癒すという立場に回らない限り、これほど退屈な学問はないでしょう。

 ……

 ……

 医学に、明確性?

 これも、ありません。

 医学が目指すところは、体の構造への侵入ないし体の調和への介入です。
 体への影響を最小限に抑えるためには、たとえ得られた知見が曖昧でも、甘んじて受け入れます。

 ……

 ……

 医学を学ぶ者は――
 こうした非汎用性や非明確性が医学にあることを知り、やがて強く意識するようになり――
 ときに、これら医学の弱点に歪んだ誇りを抱くこともあるのですが――

 そういう誇りを抱くのではなくて――

 絶望に埋もれた希望――
 あるいは――
 無力感に潜む躍動感――

 そうしたものをこそ抱くように心がける覚悟が――
 医学を学ぶ者には必要であろうと感じます。

 ……

 ……

 近年――
 医学を志す高校生が格段に増えている――
 という話をしばしば耳にしますが――

 もし、医学を本気で志すのなら、

 ――医学は最弱の学問かもしれない。

 ということを――
 ぜひ頭の片隅に入れておいて欲しいと思います。