2つの断定表現で1つの推定表現を挟み込む――
という文章スタイルがあって――
読解の際には、十分に注意をしなければなりません。
どういう文章スタイルかといえば――
例えば、
――AはBである。BはCかもしれない。CはDである。
というものです。
うっかり読むと、
――AはDである。
と理解しかねません。
実際には、
――AはDかもしれない。
といっているのですが――
……
……
試みに――
A、B、C、Dに、以下の文言をあてはめてみましょう。
A:民主主義の政治家
B:民意に敏感な人たち
C:大衆に迎合する人たち
D:政治に携わる資格のない人たち
――民主主義の政治家は民意に敏感な人たちである。民意に敏感な人たちは大衆に迎合する人たちかもしれない。大衆に迎合する人たちは政治に携わる資格のない人たちである。
となります。
もう少しスッキリさせると、
――民主主義の政治家は民意に敏感だ。民意に敏感だと大衆に迎合するかもしれない。大衆に迎合する人たちは政治に携わる資格がない。
となります。
慎重に読めば――
なんということはないのですが――
焦って読むと――
つい、うっかり、
――民主主義の政治家は、政治に携わる資格がない。
と誤読しかねません。